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シリコンバレーに来てみて [環境]

筆者はスタンフォード大学に客員研究員として留学している。こちらに来てまず最初に感じたのは、現地の人達の英語のスピードについていけないということだ。

日本で英語を話していた時は相手が英会話の先生等だったので、スピードもある程度こちらに合わせてくれていたし、難しい表現もできるだけ避けてくれていた。ところが、アメリカに来てしまえば誰も容赦してくれない。アメリカは元々いろいろな国から移民してきた人達が作った国なので、実に多様な民族が混在していて、英語圏ではない国から来た人なんて全然珍しくない。皆がバックボーンとしている文化や習慣もさまざまで、まさにここは世界の縮図であると言っても過言ではない。そういう社会では日本国内のような暗黙の了解などはまず期待できないので、はっきりと言葉にして、顔の表情や動作にも感情を分かりやすく表現する必要がある。なので、英語が話せないと幼児に戻ったような感覚を味わうことになる。

他の客員研究員も「話す・聞く」といった日本で疎かになりがちな部分で苦労しているようだ。さらに、研究室のグループミーティングとなると、かなり特殊な専門用語や学者特有の理屈っぽい言い回しが入ってきて、何の話をしているのかを把握するのが精一杯になってしまう。さすがに世界有数の大学だけあって、ここには選りすぐりの頭脳が集まって来ている。授業では、日本の大学のように机に突っ伏して寝ている姿は皆無であり、皆が積極的に質問をはさんでくる。講師が答えられない質問には、飛び抜けて優秀な生徒が自主的に代わりに答えることも普通である。クラスの目立って優秀な生徒達で会社を興したら面白いことができるだろうなというのがうなずける。そしてここには莫大な資金が世界中の企業からつぎ込まれている。おかげでキャンパスは神殿を思わせるような豪華を極めた造りになっており、昼食やおやつなどタダでありつける事も日常茶飯事である。しかし、英語がしゃべれないからといって気後れして仲間に入って行くのをためらってしまうのは、誰もが陥りやすい過ちである。少々いぶかしげにされたとしても、単語を並べてでも通じてしまえば研究はなんとか進められるし、毎日そうやって接して鍛錬いかなければ、英語のハンデを克服することもまずないからである。

英語のスピードについていけるようになるということは、勉強をするというよりも、歌や楽器を練習したり、リハビリのように身体的能力を鍛えるのに近い訓練が必要だ。そこで私は「シャドーイング」という手法を取り入れている。録音されたネイティブのナチュラルスピードの会話のあとに続いて、発音やリズムを真似ながら発声し、自然に口をついて出てくるようになるまでひたすら繰り返す。これは、同時にヒヤリング能力向上にも繋がっている。頭で考えるだけではなくて、耳や口を使って練習すると、今まで気づかなかった音の違いが実感できたり、馴染めなかったリズム感覚が身についてくるものである。

また、日々の生活の中で出てきた英語表現で、これからも会話に役立ちそうなものを、最後に毎回記していこうと思う。

【今日の表現】
I brought it up and they are still working on it. 話題に取り上げたが彼らはまだやっているとこだ。
It takes patience to work with a big company. 大企業と連携するには根気が要る。


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eightree

スタンフォード,うらやましいですねぇ。毎日の英語フレーズはとても勉強になります。これからも是非続けてください。
by eightree (2006-05-20 16:53) 

shige

ありがとうございます。励みになります。
by shige (2006-06-07 04:29) 

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